2004年2月7日(土)-8日(日)

スノーボード・アルツ磐梯仮眠1泊

アルツ磐梯




 また、スノーボードのレポをアップしてみる。ゲレンデにデジカメを持っていかないので画像がないから普段はネタにしないのだが、今回は長文テキストがあるので使う。これは某メーリングリストに投稿した内容を再利用したもの。

 また、画像はあえて小さいものを使用している。

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2月8日(日)朝

アルツ磐梯併設の入浴仮眠施設「スパアルツおおるり」駐車場にて。


 アルツ1泊レポ(前編)。2004/02/07(sat)

 板/BIN/ブーツの新ギア3点セットが揃ったあとの勢いから続けてヤフオクで落札した新ウェア「侍」ツナギが、ドキドキしながらもやっと届いたのが前日金曜の21:30のことだった。

 防水効果が信頼できそうにない素材と作りのウェアだったため、すぐに防水スプレーをたっぷり吹きかけた。釣具の上州屋の防水スプレーが安い。前もって買っておいた。

 ついでに、このタイプのステップインシステムの最大の欠点である雪の固着(ブーツ裏に雪が詰まってBINに装着できなくなる)を防ぐために、BINとブーツが固定される部分にも防水スプレーを吹きつけてコーティング代わりにした。しかし、これは実滑走ではまったく役に立たず苦労するハメになった。

 仮眠から起きると少し遅刻ぎみ。参加メンバーに携帯メールで遅れる旨を知らせ、準備して出発。

 石神井のかず氏ピックアップ3:30。亀戸のko嬢と浦安のsu嬢をピックアップして、首都高に乗ったのがすでに5:00。予定より1時間近く遅れていた。

 首都高→東北道と進み、メシ休憩は佐野SA。佐野ラーメンは平打ちチヂレ麺。特製ネギラーメンはイマイチ。

 栃木に入ると付近はすでに積雪。那須くらいから雪が降り始めた。何度も冬の東北道を走ってきたが、こんな南から降っているのは久々なくらいの悪天候。

 現地集合予定のエリナ嬢から、磐越道を反対から向かって来る 途中でアクシデントに遭ったとの連絡が入った。高速上の氷雪路で滑って、反対車線のガードレールに突っ込んだらしい(このあたりの磐越道は片側1車線の対面通行)。動こうにも雪でスタックして身動き取れないという。JAFと警察の到着待ちになっていた。

 東京チームも徐々に路面に雪が積もった状況に変わり、福島に入ると完全な雪道になっていた。郡山JCTから磐越道に入ると固い氷雪路になり、まったくスピードが出せない。

 あちこちでツルツル滑りながらも、アルツ磐梯に近づいたのが9:00前。すでにベース前のメイン駐車場は満車。そこで前回と同じサブ駐車場へ停めた。

 サブ駐車場の目の前にはセミナーハウスがあって、チケットも購入できるし更衣室もあってなにかと便利なのだ。ベース施設の大混雑と違って、ここは利用者が少なくて混んでないのがいい。

 アルツ宝カードを使うとリフ券は4500円→4000円なのだが、かず氏が持ってきたクーポンを使って3800円になった。

 一方、エリナ嬢の車は、ガードレールに接触はしておらず、雪に突っ込んだだけなので車体と本人には影響なし。JAFに牽引されて脱出。やっと走り出したので後から合流。
…のはずだったのが、さらにアクシデントの連絡。フロントワイパーのアームから先の部分が飛んでいってしまったとか。

 毎日雪道を走って慣れているはずのエリナ嬢でも、ドカドカ降りしきる雪の中をワイパーなしでは進めない。途中のICを降りて町の自動車整備工場で相談することに。しかし、イタ車のワイパーが田舎町でそう簡単に入手できるとは思えない。合流があやしくなった。

 オレたちはセミナーハウスで着替えて準備完了。ツナギはペラペラの薄い生地だったが、思いのほか暖かいことを知った。

 駐車場の雪の上で、新板を試しに装着してみると、なんとステップインブーツのツメがBINにハマらない。 コツがあるようだ。結局座って装着するのでストラップ と変わらない。へたするとストラップより装着が遅いかもしれないくらい、要領がつかめなかった。

 もともと、装着がラクになるステップインというより、このラピッドファイアはブーツの足の裏に板がくっ付いているような密着感が売り物なのだ。今までのswitchのように緩斜面でスケーティングしながら履けるような仕組みではないのは重々承知だったが、実際に試してみると座って履くのは苦痛だった。

 とりあえずリフトに乗って上がり、スケーティングで移動してみると、ものすごく滑る。新板にショップ店長自らがWAXしてくれたのだから当たり前だ。さらに上質でさらさらの粉雪の上なのだ。スノーボードの板がこんなに滑るものだったのかと驚くほどよく滑った。

 履いて滑ってみると、思った通りの操作がまったくできない。何度もバランスを崩してすぐに転んでしまった。はじめてフェイキーで滑った時のように、頭の中のイメージと足や板の感覚がまったく違うのだ。非常に滑りにくい。

 板はエッジがシャープ過ぎるのか、ふかふか雪にエッジが突き刺さるように「切れ」過ぎて、カービング(もどき)の切り返しで板が跳ねてしまう。何度も何度もコケまくるが、雪が柔らかいから苦痛ではない。それにツナギのおかげで雪が腰から入ってこないのが助かった。

 スタンス調整に問題があるのかと思い、BINの位置を変えては
滑り、また戻したりを繰り返した。それでも思うように滑ることができないジレンマが襲う。

 ブーツはサーモインナー風に焼いて足型に合わせた甲斐あって、ほとんど痛いところもなくオレの足にフィットしていた。ただ、今までのように適当に履いていたブーツと違って、しっかり締めると板BINブーツの一体感がものすごい。これがいいことなのかどうか不明。

 BINの調整を何度も繰り返したあと、13:00中腹のレストランに集まると、最後にエリナ嬢が合流した。メールで集合場所を知らせておいたのだ。

 エリナ嬢の車は、整備工場で日本車の、それも軽トラのワイパーを取り付けてもらって、なんとかたどり着いたとか。正しく付いてないためにまともに雪が拭けない状態だがないよりマシだったらしい。

 ハンバーグと温泉卵のロコモコ風プレートと生ビール。みんなも軽くアルコールで乾杯。降りしきる雪はまったく止む気配がなかった。

 メシ後もバラバラに滑っていたが、たまたまかず氏と合流したので一緒にツルんだ。

 かず氏は低重心のままショートターンのカービングでかっ飛んでいく滑りを見せる。まさにアルペンライダーのよう。これではヘルメットは必需品だ。そのうえ、急斜やコブ斜を好んで攻める。本人も言っていたがアルペン志向が強いようだ。

 オレも低姿勢のカービングスタイルが好きなのだが、新しいBINのせいなのか、前ヒザが曲がらず棒立ちになってしまい、まったく思うように滑ることができない。

 ふかふかに積もった新雪が削られて、非圧雪コースは柔らかいコブだらけの斜面になっていた。このコブで跳ねると棒立ちではすぐにバランスを崩したり、エッジが意図しないタイミングで引っかかったりして、コケまくるのだ。

 それに、今までは横固定のステップインBINだったために、足の動きから板が反応するまでワンテンポの間があった。しかしRFは板との密着感が強いため、レスポンスが速すぎる。思ったよりも速く板が反応してしまう。

 その上、切り返しの反動が大きいために、ショートターンで少しでもスピードに乗ると、板のテールが浮いてターンしているような感じ。

 またエッジの切れがいいので、軽くエッジに乗るだけでぐんぐんスピードが増してしまう。

 オレにはこの板を乗りこなせないのではないかという気がしてテンションが下がっていった。

 さらに問題があった。RFシステムのステップインはクリッカーの弱点である「雪の固着」が改善されるよう開発されている。しかしブーツの裏にはしっかり雪が付いてしまい、とくにBINのツメがはまる爪先の凹部分は氷状に固まっていた。前夜吹き付けた防水スプレーはまったく効果がなかった。

 立ったまま履けないので、ストラップの人と同じように座って履いた。ブーツの裏の雪を叩いて落とし、さらに凹部分の氷を念のために持ってきた金属棒でかき出し、座ったままヒールカップを手で近づけてBINを装着した。デッキパッドを買わなかったことを強く後悔した。

 ゲレンデの頂上付近はガスっていて視界が悪かったが、集合時間が近づいてベース方面に降りて行くとガスは晴れて、寒さも和らいだ。降雪のため早くからナイター照明が点いていた。

 最後の1本でやっと、なんとか板に「乗れる」ようになったような気がした。スタンスやハイバックの角度、フォワードリーンなどの調整よりも、ヒザの曲げとターン重心移動のタイミングを掴めばなんとか思うように滑れるようだった。それでもまだ前ヒザが曲がらないので、カッコ悪いフォームになっているはずだが。

 オレ、かず氏、エリナ嬢の3人が17:00の集合時間を少し過ぎてセミナーハウスに戻ると、ko嬢とsu嬢はすでに待っていた。

 車に積もった雪をブラシで落とし、着替えないでウェアのまま5人でオレの車に乗って買い出しへ出発。

 微かな記憶を頼りに、隣りのIC近くにある大型スーパー「ヨークベニマル」へ行き、アルコールとツマミと朝食のパンを買った。夕食も買って休憩所に持ち込むつもりでいたが、やはり暖かい食べ物がいいということで、外食することにした。

 これもオレの記憶を頼りに、近くの喫茶店風のレストランへ。広い建物なのにまったく他の客がいなくて閑散としていた。安いカルビステーキやビーフシチューなどを食べた。

 レストランを出るともう雪が車に積もっていたくらい、雪はあいかわらずの勢いだった。

 戻る途中の道でUターンしようとバックで小道に入ると雪が深くスタックしてしまい、みんなに降りて押してもらって脱出した。こういう場合はFF車は弱い。

 「スパアルツおおるり」の駐車場は満車。近くの立ち寄り湯はここだけなのでどうしても混んでしまう。少しグルグル周るとタイミング良く出たスペースへ2台停めた。買い物袋やたくさんの荷物を持って建物へ。

 ゲレンデからも歩けるくらいの距離なので、多くの客はウェアのまま受付に来ていた。オレたちもウェアのまま。風呂場で着替えたほうが暖かいしラクでいい。

 入浴料1500円→宝カードで1000円。プラス22:00以降は深夜料金1500円。合計2500円で朝8:00まで滞在することができる。

 仮眠室を見に行くと、すでに多くの客が壁に沿った場所のマットレスをキープしていて、真ん中あたりしか残っていなかった。そこに荷物を置いて5人分のマットレスをキープ。

 早くから来ていた客は壁沿いの角にマットを集めて陣取って自分たちのスペースを作りこんでいた。それに壁のコンセントが自由に使えるという利点もあり、ちょっと羨ましかった。

 風呂はそれほど混んではいなかった。露天風呂は冷めてしまったのか、ぬるいを超えて冷たい水になっていた。でも温泉浴槽のナトリウム系の成分が濃い感じで、ここに浸かっているだけで充分満足だった。

 風呂から出ると、休憩室へ。ベランダに隠しておいたおかげで缶チューハイがキンキンに冷えて上手い!

 休憩室は22:00を過ぎると仮眠室と同じ扱いになるそうで照明が薄暗くされていて、他に客がいない。オレたちだけでまったりと語りつつ、ツマミを食べつつ居酒屋状態。

 しかしオレは酔いが回るよりも早く、すぐに眠気に襲われたようで、いつの間にか意識がなかった。休憩室の絨毯で転がっていた後、誰かに起こされて仮眠室の自分のマットレスに移ったような気もするが、定かではない。


 アルツ1泊レポ(後編)。2004/02/08(sun)

 誰かに起こされて目を覚ますと、仮眠室のマットレスにいた。毛布があっても少し寒い。暖房による乾燥はたいしたことなかったようで、喉は痛くならなかった。

 時間を聞くと7:00過ぎていた。前夜の話では6:00に起きて準備して、ベース前のメイン駐車場に停め、動く前のリフトに並んで、パウダーを食いまくろう!…だったのだが、もうそれは遅い。

 サクっと風呂に入ってから準備して着替え、フロントで鍵を受け取ったのが退館時間の8:00直前だった。おおるりの建物を出ると、雪はあいかわらず降り続いていたから車に積もった雪を下ろすのが大変だった。

 前日と同じサブ駐車場に移動して、セミナーハウスのテーブルにパンを並べて朝食。レンタル施設と更衣室があるのだが、職員の他には誰もいない。オレたちだけの施設のようなものだ。朝食のパン(前夜にスーパーのパン屋で買った)を食べながら、念入りに準備運動。絨毯の上ならしっかりストレッチができる。

 まずは、かず氏が準備ができたらしく一人で先に出発。エリナ嬢が新しい板にBINをつけるというので、駐車場でBINの取り付け。su嬢はショートスキーだし、ko嬢はスノーボードだが道具について全く知らないので、2人はBINの取り付けを珍しそうに見ていた。オレも自分のBINの調整をするがイマイチ。

 かず氏の割引券がなくなったので、宝カードを使ってリフ券4500円→4000円。また今日もスタートが遅く、9:00過ぎていた。リフトに乗って上がるとはじめは4人一緒に滑っていたが、スピードが違うのですぐにバラバラになった。

 少し滑ってみると再度BINの調整するため必要があり、ベース施設に向かうと
大混雑していた。メンテナンススペースの調整台に板を置いていると次から次へと調整待ちのボーダーの列ができた。オレは自分でドライバーを持ち歩いているから、その場を譲って近くの床に座り込んでBIN調整。

 購入したショップでやってもらった設定が、ハイバックの横方向の角度がBINと水平ではなく少し内向きになっていて、つまり前足が内側に曲がりやすいセッティングになっていた。バックカントリー系ショップだったためか、パウダースノーに乗りやすいよう後傾になる設定なのだろうか。これをBINとまっすぐになるようハイバックの角度を変えた。

 これで滑ってみたが、あまり変化はなかった。レスポンスが速過ぎるためにターンの挙動のタイミングが違う点は慣れるしかないらしい。そして前ヒザが曲がりさえすればフォームは戻ると思うのだが。

 ブーツ裏に雪が固まってしまう件も相変わらず続いていた。雪質と気温がちょうど都合が悪いのかもしれない。

 雪質は最高なのだが、降り続いているせいで視界が悪く、コースに人が多くて避けるのが大変。また、パウダー交じりのコブで跳ねる板が安定せずビビって、今ひとつテンションが上がらなかった。

 昼食は集合を決めずに各自。エリナ嬢はハーフパイプに入っていった。オレはヒザを曲げようと前足のハイバックを触りながらターンしたりと試行錯誤を続けた。

 15:00集合のために移動をするが、奥のコースから連絡するリフトはどうしても集中するため混雑してしまう。

  時間ギリギリだったから緩斜面でちょっかり。板の性能のおかげか、高速安定性はバツグンだった。

 セミナーハウスのテーブルに集まって話しをすると、かず氏は昼食を取らずに滑り込んでいたらしい。su嬢とko嬢はツルんでいて、ko嬢は今シーズン初なのにかなりガンバって滑ったらしい。

 混む前に、着替えを兼ねて「おおるり」の風呂に入り、仮眠しないで17:30出発。前夜しっかり寝たから眠くはなかった。

 ゲレンデから街へ降りる道は完全に凍っていた。エリナ嬢の車は非常にゆっくり進むため、後続車の渋滞ができていた。磐梯河東ICまで同行しようと思っていたが、IC入り口に着く前にハグレてしまい、結局バラバラに高速道路に乗った。

 磐越道は真っ白な道。慎重に走っていくと、トンネルをくぐる度に路面の氷雪が薄くなっていき、郡山JCTから東北道に入ると乾燥路になっていた。

 ガソリンが残り僅かだったので、郡山からすぐの安積PAに寄って晩メシ。PAのレストランなのに手ごろな価格の定食メニューがあってかなり好印象。

 渋滞とは無縁の東北道をひたすら東京方面へ。長い距離だったが、こまめに車線変更したり考えごとをしていたので、一度も運転交代しなくても辛いとは思わなかった。

 考えていたのは、雪を落としやすい鋭いピン状のデッキパッドと、ゴムや樹脂に影響を与えず剥離性能が高いシリコンスプレーをいつどこで買おうか、だった。2日後の水曜にまた雪山行くために。

 首都高につながる川口PAで休憩しつつ交通費の清算。行きと逆に浦安→亀戸→石神井とみんなを降ろし、うちに着いたのは0:00をゆうに過ぎていた。

 荷物を片付けると、翌日のためにすぐに寝た。




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