2003年6月7日(土)

初スモールバス釣り−裏磐梯・小野川湖/桧原湖

福島県耶麻郡北塩原村・小野川湖
福島県耶麻郡北塩原村・桧原湖
宿泊地:いかり潟キャンプ場




 前回のフローター仲間の皆さんに誘ってもらって、福島県の裏磐梯方面へスモールマウスバスを釣りに行くことになった。丸儲けさん釣り侍さん、T中さん、すかもかさん、そしてボクの計5名。丸儲けさん、釣り侍さん、すかもかさんは毎年恒例になっていて、福島スモールの旅は今年で4年目だとか。

 ボクは2年前の夏に桧原湖でスモール初挑戦したことがある。北海道放浪の旅の帰り道に福島へ寄ったのだ。ボートをレンタルして挑んだが、風が強くてボートの操船に煩わされ、さらにスモールの性質を知らないまま適当に釣行して、ボウズに終わっている。だから、初のスモールを釣り上げるため、今回の遠征には気合いが入っていた。陸っぱりでも苦手なボートでもなく、フローターだから釣れる可能性は高いはずだ。

 もちろんボクは今回もフローター一式を持っていないので丸儲けさんに貸してもらう。ただ前回と違うのは、フローティングベストを購入したこと。このベスト「BAWO BW-116」は収納ポケットがしっかりあるのでシーバス狙いに堤防へ行っても使えるし、浮力材が外せるので一般的なフィッシングベストのように陸っぱり用にも使えるのだ。さらにフローターでも邪魔にならないよう、丈が短くできている。そして何よりこれがあれば、レンタルボートで借りるオレンジのベストを着なくて済む。条件をしぼってコレだと決めたフローティングベストなのだ。

 釣り侍さんが仕事の都合で参加できなくなりそうだったのだが、結局、日曜に早めに帰って来れば大丈夫になったので安心。車2台で4人では非常に経済効率が悪いのだ。5人でももったいないのでボクの友人を誘っていたが、さすがに泊まりでの遠征となると難しいらしく誰も応じてくれなかった。

 前もってメールのやりとりをして決めた集合場所の大泉ICそばに到着したのは深夜1:00前。思いのほか早く着いてしまった。しばらくしても他のメンバーが来ないので連絡してみると、予定外のピックアップのために少し遅れるという。とにかく全員集まって、簡単なあいさつ。2バーナーガソリンコンロをすかもかさん宅に取りに行ったのち、外環道・大泉ICからは入らず少し走って東北道・浦和ICから高速道路へ。

 ボクの車にすかもかさん、丸儲けさんの車に釣り侍さんとT中さんが乗車。道すがら、いろんな釣りの経験豊富なすかもかさんから手ほどきを受ける。とくに今回のスモールマウスバスは今までのラージマウスバスとはかなり性質が違うらしい。同じように狙ったのではなかなか釣れないとか。すかもかさん自身も何度かボウズを体験してやっとコツを得たそうな。

 東北道から磐越道へ。磐梯高原ICを降りて、裏磐梯方面へ一般道を走った。この朝の目的地は小野川湖。すぐに庄助キャンプ場の看板が見えた。

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朝5:30頃、裏磐梯の小野川湖に到着。

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駐車場はもうすでに満車。そのため、入口の道沿いに停めることになった。

水面にはボートもフローターもたくさん見えた。ちと出遅れぎみだったかも。

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キャンプ場の管理棟。

1日遊漁料1000円+フローター持ち込み料600円。

ボクはこの隣の炊事用洗い場でコンタクトレンズを装着。
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キャンプ場なので当然テントが数張りあった。

でもここは、バス釣りのためにボートやフローターを入水させる人のほうが圧倒的に多い。

「生体持ち出し禁止」は、違法放流を防ぐためだろうか。
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さっそくフローターの準備。

5人がそれぞれ自分のフローターに空気を入れる。

ボクが貸してもらっているのはゴムチューブのO型タイプなので、ダブルアクションポンプを使っても空気を入れるのにかなり疲れる。
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やっとフローターが膨らんだので、ウェーダーとフローティングベストを着込んで準備完了。

この黒いベストがおにゅうのベスト。ポケットにいろいろ詰め込み過ぎて少し重い。

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もう2回目ともなれば手馴れた感じで入水できた。

入水ポイントはキャンプ場前のシャロー(浅瀬)エリア。

キャンプ場の施設が遠ざかっていく。

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雄大な景色と静かな水面。

ボートもフローターも陸っぱりも多い。

 スモールマウスバスの画像がなかなか出てこないことに気づいただろうか。

 実は釣れなかったのだ。ボクひとりだけボウズだった・・・。


 気負いすぎてアセっていたのか、スモールの特性をつかみきれていないのか。途中、ネスト(産卵床:スポーニングベッド)を守っているらしいスモールを見かけて、しばらく狙っていたのだがまったく相手にされなかった。

 でもあとで、スポーニング(産卵)がらみの個体を狙ってはイケナイなと思い直した。釣り上げてしまうと、オスならネストに戻らず卵を他の魚に食べられてしまうかとか、産卵直前のメスなら体が硬直して産卵できなくなるとか、そんな話しを思い出した。

 正午頃、キャンプ場のほうに戻って行くと、他の4人はすでに上陸してフローターを立てかけて片付けに入っている姿が見えた。後ろ髪ひかれる思いのまま、ボクも上陸して撤収をはじめた。

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小野川湖をあとにして、近くの喜多方ラーメンの店で昼食。

食後、4人はソフトクリームを買っていた。これがツキを呼ぶのだとか。
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その食堂の池には、たくさんのマスが泳いでいた。

人が来ても逃げないが、何かを放り込むとバシャッと反応していた。

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桧原湖の長峯船着場に到着。

車から荷物を降ろし、桟橋へまとめて置いて、いかり潟キャンプ場からの迎えの船を待った。

シャローの水底に、ネストにいるスモールのつがいの姿が、桟橋から見えた。
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大きめの和船が桟橋に到着。

キャンプ場管理人さんの飼い犬「アル」も同船していた。

人懐っこく大人しい。

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船が動き出すと怖いらしい。ガクガクブルブル震え出して、しっぽは股の間に丸まっていた。
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ハイシーズンの週末のせいか、バスボートもアルミボートもフローターもたくさん浮かんでいた。

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キャンプ場のある「いかり潟」は大きなワンドになっていて、周辺は小さな島が多い。

またシャローエリアもあるため、この時期(スポーニングシーズン)はとくに人気の高いエリアらしい。
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キャンプ場の桟橋に到着。

小屋のような建物が点在していた。それがボクらが泊まるロッジ。

桟橋から釣りしてる人もいた。
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ロッジまわりの緑が濃い。

かなり雰囲気が良さそうだ。

キャンプ場はワンドと本湖の間の半島にあるから、ワンド側にも本湖側にも出て行ける。
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ファミリーロッジの内部。

じゅうたんが敷かれただけのシンプルな部屋。というか小屋。広さは6畳くらいか。壁にはコンセントがある。

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炊事用洗い場の様子。

すぐ近くにある水洗トイレもそうだが、なかなか清潔に保たれていた。管理人さんの苦労がしのばれる。
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桟橋の様子。

ここからレンタルボートが出船したり、このそばのシャローからフローターが入水する。

左下に見える組んだパイプはフローターなどを立てかけて干しておく場所。
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管理棟兼カフェ「アーリーバード」の建物。

犬のアルがうろうろしていた。
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放し飼いだがとても大人しい犬なので、小さな子供と来ても安心できそう。

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フローターの準備ができると皆思い思いに昼寝タイム。

夕まずめの活性の高い時間帯を狙うため、昼間は休憩なのだ。

しかしボクは午前中にボウズだったので、ひとりで陸っぱりすることにした。
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入れ替わり立ち替わり陸っぱりバサーが試していた桟橋でやってみた。

ごくたまに魚影が見えるが、なかなか反応しない・・・
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やっと釣れた! 初スモール!

サイズは26cm。

非常にヒキが強い。それも下へ下へグイグイと潜ろうとした。
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名前の通りラージに比べて口が小さい。そして目が赤い。

魚体が小さいせいか泳いでいた場所のせいなのか、側面の虎模様はなく金色と緑色が混ざったような色。
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なめまわすように観察。

ラージと同じ臭いだが、ラージに比べて臭いは少ない。水がきれいなせいもあるかもしれない。

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SAWAMURAバレット(細いタイプ)、ノーシンカー。

桟橋から落として、フォール中にアタリがあった。

ああ、釣れてよかった!これで気がラクになった(^^ゞ
うれしくてあちこちに携帯メールを送った。
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管理人さん父母?が4匹の小型犬とやって来て、しばらく遊ばせたあと帰っていった。アルも小型犬たちと遊んで大喜びだった。

右に見えるツナギ着た若い人がキャンプ場に残ってボクらの世話をしてくれた。もちろんアルも残っていた。
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そして夕方17:00前、皆も起きだして、夕方の部スタート。

風はないのだが、陽がかげってしまうと水温が冷たく感じた。途中、いったん上陸して戻り、上着を取ってきたくらい寒かった。

本湖側にある小さなワンドへ向かった。
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ここは人がいなかったから良さそうに思えたのだ。

ラージは岸際に居着くことが多いがスモールは違う。だが小さいサイズなら岸側にもいるらしい。

木枝から虫が落ちてくるのを待っているかもしれないと考えて、せり出した木の直下にキャストしてフォール・・・
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ラインがすぅっと動いていくのを見て、あわてずにアワせてみると、釣れた。

サイズは23cm。

小さいが、スモールの平均サイズを考えると、ラージに換算するなら 「+10cm」くらいか。
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芋虫を意識して、SAWAMURAバレット(太いタイプ)、ノーシンカー。

これなら沈んでいく様が虫っぽいし、しっかり沈んでくれる。
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再び静かな水面。

もう夕暮れ近く、高活性の夕まずめのはずなのに、静かすぎる。

いろんなワームやルアーを試すが釣れない。
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19:00近く。かなり暗い(画像は明るく補正してある)。ひとりで浮いているのがだんだん怖くなってくる。

さっきと同じように、岸際の木の下へ、キャストしてフォール・・・

しかし、ラインが見えない!
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ラインは見えなかったが、ロッドの先が小さく動いたのでアワせた。

今度は虎模様がしっかりあった。

でもサイズは24cm。
大きさと柄は関係ないのか?
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SAWAMURAバレット(長いタイプ)、ノーシンカー。

サイズアップを狙ってひとまわり大きなワームを使ったのだが、ほとんど変わりなかった。

 暗くて怖くなってきたので、キャンプ場の桟橋へ向かってゆっくりとフローターを進ませた。それでもあちこちキャストしながら。暗くなれば活性が高くなるはず。そう信じて。

 桟橋が見えるところまで来たとき、今までスピニングタックルでワームばかり使っていたので、ベイトタックル&ハードプラグに替えた。ルアーはコンバットクランク。表層近くをトレースするタイプだったと思う。

 見えないからあちこち適当にルアーをキャストした。とくに、着水が見えないからカンでルアー着水タイミングを計ってサミング。投げては巻き、を繰り返した。

 そのうち、ガツンと大きなアタリ!グイグイと下へ潜る様子はまさしくスモール。それも今までの3尾よりもはるかに強いヒキだった。

 フローター近くまで寄せて、もう少しで顔が出てくるくらいになったとき、大きく暴れてバレてしまった。思わず「ああっ!」と出した声が夕闇に響いたような気がした。ものすごく悔しかった。ここで納竿を決めた。

 近くにすかもかさんが戻ってきていて、一緒に上陸した。だが荷物置き場を見ると、他はだれも戻ってきていない。そろそろ20時近くだし、本当に真っ暗で何も見えないはずなのに大丈夫なのだろうか?

 しばらくして、桟橋の少し先でバシャッと音がして、誰かが釣ったようだった。ヘッドライトが点灯して、フローターに乗った釣り侍さんだとわかった。そうか。前もって夜釣りの準備をしていたのか。

 すかもかさんは上陸してフローターを置いたあともまだ満足してないらしく、ライトを準備して桟橋から釣っていた。

 さらに20:30を過ぎて、キャンプ場裏の山道からフローターを担いでヘッドライトを点けた2人組が現れた。丸儲けさんとT中さんだった。キャンプ場の裏側が本当の「いかり潟」らしいのだが、そっちでやっていたらしい。

 真っ暗でもフローターで夜釣りをするとは、この人たちはかなりのツワモノだと思った。

 フローターやウェーダーなどを立てかけて干し、自分たちのロッジ前のテーブルで夕食になった。すかもかさんの2バーナーガソリンコンロとボクのシングルガスクッカーで湯を沸かし、カップラーメンやレトルトのご飯やカレー。

 今日の釣果の報告をしつつ、あそこが良かったとかこのルアーで釣れて良かったとか・・・。暗くなってからはトップ(水面)がアツかったようで、セミっぽいルアーやジッターバグへのバイトが盛んにあったらしい。でもノらない(確実にフッキングしない)ことも多かったとか。そんな釣り談義で夜が更けつつあった。

 しかし、昨日から一睡もしてなく一人で運転して、さらに慣れないフローターを漕いで疲れまくっていたボクは皆に声をかけて先に眠ることにした。

 蚊取り線香を焚いたロッジの床には羽虫たちの死骸がたくさんあったが、それを片付ける余裕もなく寝袋にもぐり込んだ。

 本日の釣果
  小野川湖…0尾、桧原湖(陸っぱり)…1尾、桧原湖(浮き)…2尾


【翌日へ】




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